「うちの子の球速は速いの?遅いの?」
「学年別の平均はどれくらいなんだろう」
そう気になったことはありませんか。
結論から言うと、全国の小学生を同じ条件で測った公式の平均値は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。
インターネット上には学年別の表がありますが、測定人数や測定方法が書かれていない数字は、そのまま平均として使えません。
この記事では、出典を確認できない数字は載せません。
代わりに、家庭で使える「条件をそろえた測り方」と「見るべき指標」をまとめます。
小学生の球速は「平均との比較」より「自分の記録」で見る
小学生の球速は、身長や成長時期、野球経験によって大きく変わります。
使うボール、投げる距離、測定機器が違えば、同じ子でも数字は変わります。
そのため、同学年の速い子と比べるよりも、同じ条件で定期的に測って成長を確認することが大切です。
「平均」を参考にするには、測定人数、年齢、競技歴、ボールの種類、測定方法が必要です。
これらが分からない数字は、学年別の基準として使わないようにしましょう。

学年別の確認ポイント
球速の基準値ではなく、家庭で成長を見るときの確認ポイントです。
| 学年 | 球速と一緒に見ること |
|---|---|
| 小学1・2年生 | 無理なく投げられるか、相手が捕れる方向へ投げられるか |
| 小学3・4年生 | 同じ距離でのコントロールと投球動作 |
| 小学5・6年生 | 成長に伴う体の変化、疲労、試合を含めた投球量 |
同じ学年でも、成長や競技歴は人それぞれです。
数字だけで「遅れている」「才能がない」と決めず、以前と同じ条件で投げた記録と比べましょう。
小学2年生の球速|強く投げるより、捕れる場所へ投げる
この時期は、球速より「相手が捕れる場所へ無理なく投げられること」が大切です。
強く投げようとして肘が下がったり、体が大きく開いたりする場合は、距離を短くしてフォームを優先しましょう。
小学3年生の球速|速くてもストライクが入るか
小学3年生で速い数字が出ても、その数字だけで同学年の順位は分かりません。
使ったボールや測定機器、投げた場所まで記録しておくと、次回との比較に役立ちます。
球速が出てもストライクが入らなければ、投手として安定しません。
キャッチボールでは、胸のあたりへ10球中何球投げられたかも記録しましょう。
小学5年生の球速|成長期はフォームが崩れやすい
小学5年生では、成長や競技経験の違いも考えて球速を見ます。
急に身長が伸びる時期は、フォームのバランスを崩すことがあります。
以前より球速が落ちても、投げ込みを増やすのではなく、痛みや疲労がないかを確認してください。
運動神経が伸びやすい時期については、「ゴールデンエイジってなに?子供の運動神経が伸びやすい時期って本当?」で解説しています。
小学6年生の球速|「100km/h」は速い?
100km/hという数字は目を引きますが、同年代で上位何%なのかは、統計がなければ判断できません。
動画やSNSの最速記録を、全員が目指す基準にしないことが大切です。
少年野球では、球速以外にも次の力が試合では重要です。
- ストライクを続けて投げられるコントロール
- 走者がいても崩れない投球フォーム
- 緩急を使う感覚
- 守備やけん制を含む判断力
- 肩や肘に痛みなく投げ続けられる状態
速さだけでなく、「試合でアウトを取れる投球」を目指しましょう。
試合の流れや基本ルールを整理したい方は、「野球ルール完全ガイド|初心者向け基本から上級者が迷うプレーまで解説」もご覧ください。
小学生の球速に差が出る5つの理由
1.体格と成長時期
身長、体重、手足の長さ、筋力は球速に影響します。
成長する時期には個人差があるため、同学年の数字だけで能力は判断できません。
2.野球経験
投げる動作に慣れている子は、体全体の力をボールへ伝えやすくなります。
競技歴が短い場合は、筋力よりフォームを身につけることで球速が伸びる可能性があります。
3.投球フォーム
腕だけで投げると力が伝わりにくく、肩や肘に負担が集中します。
軸足で地面を押し、体重移動から体幹、肩、肘、手首へ力をつなげることが大切です。
4.ボールと測定条件
軟式球、硬式球、軽い練習球では球速が変わります。
マウンドからの投球と、平地でのキャッチボールでも条件は同じではありません。
比較するときは、同じボール、同じ距離、同じ機器、同程度の力で測りましょう。
5.疲労と体調
睡眠不足や投げ過ぎがあると、球速やコントロールは落ちます。
いつもより大幅に遅いときは、練習不足と決めつけず、疲労や痛みを確認してください。
小学生の球速を正しく測る方法
継続して記録するなら、スピードガンを使う方法が分かりやすいです。
測定前に条件をそろえる
次の条件を毎回そろえると、数字を比較しやすくなります。
- 十分にウォーミングアップする
- 同じ種類のボールを使う
- 投球位置と測定位置を固定する
- スピードガンを投球方向の延長線上に置く
- 5〜10球を測り、最速だけでなく平均も記録する
測定する人は、投球が当たらないように防球ネットなどの後ろに立ってください。
捕手の後ろというだけで安全とは判断せず、機器の取扱説明書も確認しましょう。

家庭用スピードガンのおすすめ
継続して測るなら、自宅や練習場に持ち運べるスピードガンがあると便利です。
選ぶときは、対応する測定距離、電源、持ち運びやすさを商品ページで確認しましょう。
スピードガンは、対応する距離と持ち運びやすさを、実物で確かめてから選ぶと安心です。
スマホアプリは参考値として使う
動画から球速を計算するアプリもありますが、撮影位置やフレームレート、距離設定によって誤差が出ます。
成長の記録には使えますが、スピードガンの数値と同じ基準で比べないようにしましょう。
球速の記録表|最速だけでなく条件も残そう
記録は、毎日の全力投球テストにする必要はありません。
指導者と決めた無理のない範囲で行い、測定のための投球も練習量に含めて考えましょう。
| 記録項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 測定日・場所 | 日付、マウンドか平地か |
| 用具・条件 | 球の種類、機器名、距離、設置位置 |
| 球速 | 測定した球数、最速、全測定値または平均 |
| コントロール | 決めた目標に投げられた割合 |
| 体調 | 痛みや疲労の有無、前日の練習状況 |
平均球速は、測定した球速の合計を測定した球数で割った値です。
「その子の数球の平均」と「同学年全体の平均」は別のものなので、混同しないでください。
小学生が安全に球速を上げる練習方法
正しいキャッチボールを繰り返す
球速アップの土台は、相手の胸へ投げるキャッチボールです。
近い距離から始め、フォームが崩れない範囲で少しずつ距離を伸ばします。
腕を強く振るだけでなく、軸足から踏み出す足へなめらかに体重を移せているかを確認しましょう。
下半身と体幹を鍛える
小学生は、重い器具よりも自分の体重を使う運動のほうが取り組みやすいです。
- スクワット
- ランジ
- 片足立ち
- プランク
- 短距離ダッシュ
- ジャンプやスキップ
回数を増やすことより、姿勢を崩さずに行うことを優先してください。
股関節と肩甲骨を動かす
投球前は、股関節、胸郭、肩甲骨を大きく動かすストレッチが向いています。
練習後は、軽いストレッチで体を整えましょう。
痛みを我慢して、可動域を広げる必要はありません。
重いボールを自己判断で投げ込まない
重いトレーニングボールを使えば、必ず球速が上がるわけではありません。
年齢や体格に合わない重さ、誤ったフォーム、投げすぎは、肩や肘への負担になります。
使う場合は、子どもの指導経験がある監督・コーチや、医療専門職に相談してください。
2026年からの学童野球の投球数制限
全日本軟式野球連盟(JSBB)は、2025年10月28日に、2026年シーズンからの学童部の投球数制限の改定を発表しました。
従来の1日の制限に加えて、1週間の制限が新たに導入されています。
| 区分 | 1日の上限 | 1週間の上限 |
|---|---|---|
| 5年生以上 | 70球 | 210球 |
| 4年生以下 | 60球 | 180球 |
この措置は、障害予防を目的としたものとされています。
上限まで投げてよいという意味ではありません。
疲労や痛み、フォームの乱れがあれば、球数に達していなくても休ませましょう。
大会によって規則や数え方が異なる場合があるため、参加する大会の要項も確認してください。
肩や肘に痛みがあるときは投げない
次のような様子があれば、投球をやめて休ませてください。
- 肩や肘が痛い、張る、重いと言う
- 投げるときだけ腕をかばう
- 急にコントロールや球速が落ちた
- 肘が伸びにくい、曲がりにくい
- 練習後も痛みが残る
痛みが続くときは、整形外科やスポーツ整形外科を受診しましょう。
痛み止めやテーピングで、無理に投げ続けるのは避けてください。
よくある質問
Q. 小学生の球速に公式の平均はありますか?
A. 今回確認した範囲では、学年別の全国代表平均として示せる資料は見つかりませんでした。
ネット上の表は、測定例や独自の目安であることがあるため、調査条件が書かれているかを確認しましょう。
Q. 球速が遅いとピッチャーになれませんか?
A. 球速が遅くても、コントロール、緩急、フォームの再現性があれば投手として活躍できます。
小学生は成長時期の差が大きいため、今の球速だけで将来は判断できません。
Q. 毎日投げれば球速は上がりますか?
A. 投球量を増やせば速くなるとは限りません。
休養が足りないと、フォームの崩れやけがにつながります。
投げない日も作り、走る、跳ぶ、体幹を使うなど、いろいろな運動を取り入れましょう。
Q. 球速は何球測ればよいですか?
A. 十分に準備したうえで5〜10球ほど測り、最速値と平均値を残す方法が分かりやすいです。
毎回同じ条件で測ることを優先してください。

まとめ:球速は成長の記録として使おう
小学生の球速を比べるときは、数字の出典と測定条件を確認しましょう。
根拠の分からない学年別の表よりも、条件をそろえた本人の記録のほうが、成長を振り返る材料になります。
球速だけで優劣を決めず、コントロール、フォーム、投げたあとの体調も一緒に記録してください。
プロ野球の投手の動きを映像で見て学びたい方は「プロ野球中継サブスク比較」、運動神経が伸びやすい時期を知りたい方は「ゴールデンエイジってなに?」もあわせて参考にしてください。