錦織圭選手や大阪なおみ選手など、日本からもたくさんの世界に誇れるプロテニスプレイヤーが誕生していますよね。
もちろん中学や高校の部活でテニスをしているという方もいるかと思いますが、テニスコートというのは色々な種類があり、それぞれに特徴や違いがあります。
ということで今回はいくつかあるテニスコートの種類について、それぞれの特徴や違いを解説。
どの大会でどのコートが使われているのかといったところも含め、確認していきましょう。
「種類① ウィンブルドンで使われる芝生のグラスコート」
7月に開かれるウィンブルドンはこのグラスコートを使用。
芝生でできたコートであるため、芝を刈ったり水をまいたり、維持に手がかかるのが何点です。
そうした理由もあり、採用しているのは世界で7つの大会のみとのこと。
維持など管理が難しいので学校の部活やテニススクールでグラスコートを採用しているところはまずないでしょう。
天然芝の影響でグラスコートはバウンドが低くなる傾向にあり、選手はプレー中に腰を低くする必要があるため、足腰への負担が大。
それに加えてボールが加速するといったことも重なるので、長期的なラリーになりにくいということも特徴の一つ。
こうしたことにより、試合時間が短く終わるという特徴もあるのがグラスコートです。
ボールがが速く低い弾道になることが多いためサーブの球速が元々速い選手というのが有利になりますし、ボレーで返すことも有利になるひとつの材料。
日本の選手でサーブ速度が速い選手というのはあまりいないので、なかなか日本人のテニスプレーヤーからすると不利なコートだと言えるでしょう。
テニスのラケットを購入する際に合わせて必要になるものが「ガット」です。 これからテニスを始める初心者の方の中には、 「テニスのガットってどう選ぶの?」 「種類がたくさん[…]
「種類② 全仏オープンで使われる土のクレーコート」
主に全仏オープンで使用されている、クレーコート。
先ほど紹介したグラスコートとは違い、球速は遅めなのが特徴。
素材である土がボールの勢いを吸収してしまうのが球速が遅くなる理由です。
そのためグラスコートと比べれば少々初心者向けと言えるのではないでしょうか。
スピンをかけると高く跳ねますが、高く跳ねるということは打点が高くなるということなので、高く跳ねるボールを返された選手は強い打球を返しにくくなります。
よってラリーが長期的になりやすいということも言えます。
しかしこれは土が乾燥している時の話で、雨が降るなどして湿ると、逆にボールがバウンドしづらくなるのです。
要するに、クレーコートは天候の影響をもろに受けるということ。
球速が遅くなりがちなコートであるのでサーブやボレーを多用する戦術は効果が低め。
グラスコートでは通用する戦術も、クレーコートではなかなか適さない場合があります。
「種類③ 全米&全豪オープンで使われる合成樹脂のハードコート」
世界で一般的に使用されているハードコートは、全米オープン、全豪オープンで使われているコートです。
アスファルトとセメントを素材にしてできたコートに合成樹脂でコーティングをしているというもので、高く速いバウンドをするのが特徴。
しかし同じハードコートであってもコートによってボールが跳ねる高さや球速が違うようなので、なかには「自分は特に○○にあるハードコートがプレーしやすい」といった好みを持つ選手もいるかもしれません。
クレーコートは土なので表面がデコボコすることが多いですが、ハードコートはそれが一切なく、球筋が変わることが考えにくいということも大きな特徴でしょう。
その分選手の実力がそのまま結果として出やすいコートで、ナダル選手やジョコビッチ選手など有名な選手の成績が良く、錦織圭選手や大阪なおみ選手も得意としています。
学校の部活動だけでなく、社会人になってからもテニスを始めるという方は多くいます。 大学のサークルや社会人サークルといったものもあるので、とにかくいつ始めても遅くありません。 そんなテニス[…]
「種類④ 人工芝に砂をまいたオムニコート」
海外の有名な大会ではあまり使用されていない、オムニコート。
そのためプロはあまり立たないコートですが、テニススクールや部活で使うコートはこのコートであることもあるかもしれません。
人工芝に芝をまいたコートで、日本やニュージーランドといった国に多く普及しているコートです。
とはいえ大会で使用するのは日本以外にあまりないようです。
日本以外で使用されていないと、「なにか大きな欠点があるのでは?」と感じてしまいますが、実は他のコートと比べて雨に強いのが特徴。
もともと水はけがよいのに加え、水溜りができるまではプレーを続行できるというメリットが。
もし一度雨で中止となっても、比較的早いうちに再開することが可能であるというメリットもあるでしょう。
人工芝に対して砂をまいているのは適度に摩擦を軽くさせることが目的。
そのため砂の量によってボールの跳ね方に違いが出るのが特徴で、砂が多い場合には球速が落ち、逆に砂が少ない場合には球速が増し、ハードコートに似たものとなります。
摩擦量を調節しているということですね。
コートを設置する際の費用はかさばりますが、設置した後の管理は定期的な砂をまく作業に加え、数年に一度のスパンで人工芝を張り替える作業のみ。
ランニングコストが少なく済むという管理の面でのメリットもあります。
「種類⑤ 絨毯のような表面のカーペットコート」
もしかしたら「名前さえ聞いたことが無い」というくらいのものかもしれませんが、表面が絨毯(じゅうたん)のようになっていて、柔らかくなっているのがカーペットコートです。
なんと言っても特別な手入れや管理が必要ないというのが利点で、屋内に作るテニスコートとして使用されることが多いとのこと。
これまでに紹介したテニスコートでは足腰に負担がかかるといったものもありましたが、カーペットコートは柔らかいので足腰への負担が少なく、初心者をはじめ高齢者にも優しいテニスコートです。
摩擦が多いため急に足を止めるといった動きをするとケガの原因にもなりますが、専用のシューズを履くなどして対策をとれば問題ありません。
テニスを始めたばかりなどという場合にはおすすめのテニスコートです。
「まとめ テニスコートの特徴によって有利になる戦術が変わる」
ここまで、「グラスコート」「クレーコート」「ハードコート」「オムニコート」「カーペットコート」の5つを紹介してきました。
それぞれ球速が速くなったり遅くなったり、バウンドが高くなったり低くなったりといった特徴がありました。
天候によって状態が変わるといったコートもあり、選手によって得意とするコートが違うといった面白さもあります。
趣味などでテニスをする方は実際に色々なタイプのコートでプレーしてみて、「自分はどのタイプのコートが一番プレーしやすいのか」探してみるのもいいですね。
またそれぞれのコートの違いや特徴を押さえた上でテニスの観戦をすると、また一味違った楽しみ方ができるかもしれませんね。